おらあ、神様が部屋に入ってきたかと思っただ・・・
“It was like Jesus walking into a room!”
有名人 ベニテス パブに行く リバプール公式ページの記事より 2005年3月10日
すいません。リバプールがこんな田舎訛り、というわけではないのですが・・・・
リバプールの監督に就任したスペイン人監督ベニテスが、情熱的なリバプールサポーターの集まるパブに現れた、という記事を見つけました。(ちょっと古い記事ではありますが)
ヨーロッパ チャンピオンズリーグの決勝に進んだリバプール。
サポーターにとってはまさにベニテスは、「神」に見えたことでしょう・・・・
チャンピオンズリーグの準決勝は、同じプレミアのチーム同士の対決。
リバプール対チェルシー。
準決勝の2試合目、時計が残り時間を数え始めたとき、テレビカメラは、繰り返し赤いユニフォームに身を包むサポーターを映します。
点差は一点。攻め続けるチェルシー。守りを固めるリバプール。
あと10分、あと9分、あと8分・・・・
サポーターの顔は、不安と喜びで、今にも泣き出しそうです。屈強な男がタオルに顔をうずめ、もう試合を見ていられない、という表情。
スペイン人監督のベニテスと、ポルトガル人のモウリーニョが順番に映し出されます。
ベニテスは、懸命にピッチに向かって叫びながら指示を送っています。
しかし、その声は、うまくピッチ上の選手に届いていないように見えます。
それほどまでに、会場は興奮に包まれ、耳をふさぐほどの音が芝に向かって降り注いでいます。
6分と異常に長いロスタイム。
そのロスタイムの怖さを知りつくすサポーターたちは、不安で胸がふさがれそうです。
残り1分というところで、チェルシー グジョンセンの低く鋭いシュートが、左足から繰り出されます。
ドロクバが足を出して、ボールにあてていれば、間違いなく一点。
しかし、そのボールも、枠をはずれます。
そしてタイムアップ。
気が狂ったように喜びを爆発させるリバプールのサポーターたち。まるで優勝したような興奮がスタジアムを包みます。
結果は、ホーム&アウェイの総スコアで 1-0 の僅差で、リバプールの決勝進出。
試合前には、おそらく、誰もがチェルシーの勝利を予想したことでしょう。
なにしろ、プレミアでは、チェルシーがすでに優勝を決めていますし、今期のリバプールは、チェルシーにまったく勝てていないのですから・・・
おそらく、万年4位で、タイトルからしばらく離れていたリバプールサポーターたちも、まさか自分たちがヨーロッパチャンピオンに王手をかけるとは思ってもいなかったでしょう。
監督は、スペインのバレンシアで見事な成績を残したベニテス。
バレンシアでは、スペインリーグ 優勝 2回、UEFA杯優勝 1回。
リバプールをヨーロッパの王者に導く、まさに神の出現です。
この日、リバプールサポーターの誰も、このスペイン人監督をよそ者扱いすることはなかったでしょう。
この日のために、ベニテスは、サポーターとの一体感を創り出す準備を、入念にしていたのです。
ベニテスは、リバプールに着任すると、ことあるごとに、サポーターを褒め称え、彼らの支持を集めようとします。
冒頭で紹介した記事では、サポーターの集まるパブにあらわれて、サポーターを驚かせます。
これは、ちょっと過剰な感じの印象を受けます。
多少、かんぐり過ぎかもしれませんが・・・・ベニテス、実は、なかなかの役者なのかもしれません。
モウリーニョに続き、よそ者の個性派監督が、また一人 プレミアのトップグループに加わりました。
来期のプレミアは、面白そうです。
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